ようやく朝晩が涼しくなってきました。今年の夏は暑くて長かったですね。秋の釣りシーズン開幕です!今年はアオリイカも好調らしいので早く釣り場に繰り出したいものです。最近は仕事が忙しすぎますけど。
この秋からまたもや新型に変更したコロナワクチンが開始となりました。
現場にいても8月くらいから急に新型コロナウイルス感染者が増加したので、この夏に大きく変異があったことは体で実感しました。今の主流はEG.5.1タイプで通称「エリス」と言われているそうです。
エリス?ん?エリス?なんでウイルスごときにそんな可愛い名前をつけるの?ん?エリス?
私がエリスと聞いて思い出すのは、あの安全地帯の超名曲、「碧い瞳のエリス」です。
え、全然関係ない?とっても素敵な曲なので是非とも聴いてみてくださいね!
今年の夏は色々な疾患が流行しました。コロナ禍で自粛していたからコロナ以外のウイルスに対する抵抗力が下がったのかもしれません。
特に珍しいのがプール熱の流行です。アデノウイルスが原因となる「咽頭結膜熱」のことですが、こんなに出会うことは小児科医になって初めてってくらいです。1週間くらい出席停止になります。
そんな変な時代ですが、新たなワクチンが開発されました。
1歳くらいまでの赤ちゃんが罹患したら重症化する「RSウイルス」のワクチンです。その名も「アレックスビー」です。なんだかトランスフォーマーのキャラみたいで格好いいですね。あちらはバンブルビーですけど。
で、驚いたのが適応年齢。なんと60歳以上とな!RSウイルス感染って高齢者でも重症化することを初めて知りました。恥ずかしながら高齢者医療に全然疎い私。毎年かなりの人数の高齢者がRSウイルス感染で亡くなっているそうです。
でもそれなら初期感染者である子どもにワクチンを打つべきでは?って思ってしまう私。どちらにしても新しいワクチンが出てくることはいいことです。
今回はバスケW杯談義の後編です。マニアックな話になると思うので、興味のない方はスルーしてください。
今はラグビーW杯の時期ですが、まだバスケW杯の余韻に浸っている私。
勝利した日本チームの試合の解説を私なりに行いたいと思います。ドイツやオーストラリアはもの凄い格上のチームなので、正直「負けて当然」って思っていたし、レベルの差を感じまくってしまったので今回は語りません。あんな強豪チームと対等に戦うにはまだまだ時間が必要です。
では、歴史的勝利に沸いたフィンランド戦からお話ししましょう。
バスケW杯ではバスケ最高峰リーグのNBA主力選手が代表辞退することはよくあります。八村類選手もそうです。次のシーズンに向けての契約や体の準備で忙しいからです。
そんな中、フィンランドの中心選手は最近メキメキとNBAで頭角を表したマルッカネン選手です。
昨シーズンはユタ・ジャズに所属していました。これまでの大エース、ドノバン・ミッチェル選手などをトレードで放出し、誰もが「ユタは終わったな」って思っていたら、見事予想を覆す快進撃の中心となったのがこのマルッカネン選手です。
前回お話しましたが、いわゆるデカくて、走れて、遠くからシュートが入る、今時のバスケの象徴と思えるくらいの選手です。まだ若いし。
試合開始当初は日本のペースでしたが、やはり自力に勝るフィランドチームは強かったです。体格を生かしたパワープレーはもちろんですが、3ポイントシュートの成功率も高く、最大18点差まで開いた苦しい展開でした。
バスケをやっている人間からすると、第4クォーター開始時には「こりゃ負け試合だな」って思うのは当然です。
そんな苦しい展開でも決して諦めなかった日本チーム。そんな中でも最終クォーターで爆発したのが若き22歳コンビの河村選手と富永選手です。
巨人相手に臆することなくコート内を駆け巡り、そしてかなりの高確率で正確に射抜いた3ポイントシュート。これまで絶対に叶わないって思っていたバスケ界の常識を彼らがぶっ壊してくれました。特に河村選手のスピードは圧巻でした。明らかにフィンランドの選手たちは彼のスピードについていけてませんでしたから。
柳井出身の河村選手。彼もこれで一躍、ワールドクラスの選手の仲間入りです。
見事な逆転勝利でした。日本が世界大会で勝利したのはなんと17年ぶりです。
前回のW杯でもコテンパンにされ、ずっとどん底の日本チームを支え続けていた馬場選手や冨樫選手、渡邊雄太選手は試合後に号泣していましたが、え?勝って当たり前!みたいな涼しい顔で笑っている22歳コンビの顔を見て、これからの日本の象徴は彼らだなって確信しました。
テレビ業界も急に手のひら返しで連日バスケの放送をし始めました。やはり勝利するって色々な意味で大切なことなんですよね。誰も期待していなかったと思うし。
ニュース番組なんかで「富永選手のディープスリー」とか報道していたけど、バスケって3ポイントが全てではありません。彼らがいかに良いタイミングで、しかも強固なディフェンスをかわしてシュートを打つまでのプロセスが大事です。彼らをフリーにするために他の選手がスクリーン(壁になって相手ディフェンスを引っ掛けるプレー)をしたり、ドリブルカットインして相手選手をひきつけ、フリーになったアウトサイドの選手にパスを送る、これらの一連のプロセスがとっても重要なんです。
もう一つ大事なこと。それはリバウンドです。
3ポイントがいかに高確率で決まるとしても、それは所詮4割程度。6割以上のシュートが外れてしまいます。そんな外れたシュートのボールを奪うのがリバウンドです。しっかりリバウンドを取ってくれるホーキンソン選手がいるからこそ、河村・富永選手が躊躇なくシュートを打てるんです。
スラムダンクの三井寿が山王戦や翔陽高校戦で3ポイントが炸裂した試合も全て、リバウンダーの赤木や桜木がリバウンドを取りまくったことが大事な要因となっています。
ホーキンソンのリバウンドがあまりテレビで話題になることはありませんでしたが、このリバウンドこそがめちゃくちゃ大切であることをここで強くお伝えしたいと思います。
続きましてベネズエラ戦。
渡邊雄太選手も試合後のインタビューで話していましたが、この試合は全40分のうち37分くらいはベネズエラペースでした。
プレー一つ一つ見ても完全に相手が格上。
ドリブルやパス技術はもちろんですが、シュートの成功率やセレクション、3ポイントの成功率も全てが日本を上回っていました。
これもバスケをちょっとかじった人ならわかると思うけど、第4クォーター開始早々15点差あり、しかも日本のペースに全くならず、こりゃ完全に負け試合だなって思った人はたくさんいると思います。もう半分泣きながら試合観戦してました。
ここで出てきた救世主が比江島慎選手。
チーム最年長のベテラン選手が神がかった活躍を見せ、3ポイントとを決めまくってあっという間に追いつき、そして逆転しました。
スポーツ業界で最近よく言われている「ゾーンに入る」って言葉を彼が表現してくれました。
いわゆる「ゾーン」に入るってことは、もうどんなプレーをしても上手くいく、精神的にも肉体的にも頂点に達し、もはやシュートを外す気がしないって状態のことを指します。NBAの選手も時々話していますが、「ゾーンに入れる選手ってほんの一握りしかいない」と言われてます。
まさにこれは湘北高校の三井寿状態です。
第4クォーターは何をやっても上手くいった彼。ちょっとリズムを狂わされてバランスを崩しながらも放ったシュートが入ってしまう。まさにゾーンに入った男です。
さらに素敵だったのは彼のキャラです。
後輩たちからイジられまくる素敵なキャラ。
苦楽を共にした仲間だからこそ、冨樫選手や渡邊選手がめちゃくちゃ喜んでイジりまくってました。
ただ、彼のこの奇跡的な活躍がなかったら完全に負けてました。沖縄開催というホームコートアドバンテージもかなり大きかったと思います。サッカーや野球同様、バスケもホームコートのアドバンテージってかなり大きいですから。
ただ一つ、苦言を言わせてもらいます。
この試合でレベルの低さを露呈したのは審判たちです。バスケのルールは毎年のように変更され、今はファウルの基準も昔より厳しくなりました。
公平な立場から言わせてもらいますが、河村選手や馬場選手のナイスディフェンスと言われた中の半分くらいはファウルです。よく審判が笛吹かなかったなって思うシーンが多々ありました。ベネズエラの選手もそれは分かっていたみたいで、後半あたりから選手が審判にブチギレてました。でもこれってお互い様なんですよね。ベネズエラ選手もいくつかファウルを見逃してもらってるし、何よりも沖縄で試合観戦しているファンの凄まじい熱量で審判の判断を狂わせたのも事実。これがホームコートアドバンテージです。
素晴らしいディフェンスとファウルって本当に紙一重です。試合の最後で見せた日本選手の鬼気迫るディフェンスは見事でした。
それにしても比江島選手はすごかったです。感動しました。
最後はカーボベルデ戦です。
で、カーボベルデってどこよ?って思った人はたくさんいるはずです。私もそうです。アフリカの端っこにある小さな小さな島国でした。本当に知りませんでした。
ただ、NBAで数シーズンプレーしたカーボベルデのエースであるタバレス選手は知ってました。221cmあります。腕も異常に長い選手で、しかもかなりクイックに動けるセンターです。彼には苦戦するだろうなって思ってました。
いざ最終戦開始。
なんといってもこの試合ですごかったのは富永選手です。第二クォーター後半くらいから彼はまさに「ゾーン」に入りました。
立て続けに3ポイントシュートをねじ込み、そして何よりも凄かったのがその成功率。最後の方で少し外しましたが、途中までは100%の成功率でした。もの凄かったです。高校時代から有名なサウスポーシューター。高校時代に河村選手たちと戦った大会の得点王は彼でした。今はアメリカのネブラスカ大で活躍中です。
彼は自分がゾーンに入ったことをわかっていたようで、ずっとパスを要求してました。
「俺が決めるから俺に回せ!」と言わんばかりの表情でした。かっこよかったです。
で、その彼を見ながら冷静にパスをさばく河村選手。
相手ディフェンスが完全に富永マークで三人くらい飛びかかってきましたが、それを冷静に判断してホーキンソン選手にパスをする河村選手。どちらも素晴らしいプレーでした。
ちょっと小太り気味の富永選手。お笑い芸人かまいたちの山内さんに似ているって話がネットで話題になってました。
実は彼って身長が188cmもあるんですよ。
さらにいうと、富永選手のお父様は211cmもあって、実は昔、バスケの日本代表選手だったんです。
富永選手は200cmに届かなかったけど、バスケセンスは受け継いだみたいです。
左利きの選手ってあまり数がいないので、ディフェンスをするときも少しリズムが違うことで守りづらいことは私も知ってます。
あと、最近の流行りだけど、パスをもらってからシュートを放つまでの動きがとても早く、NBA最高シューターのカリー選手がシュートを放つ、いわゆる「ワンモーション」スタイルであり、ブロックに飛びづらいシュートです。これも彼のバスケセンスですね。かなり遠くから打てるし。
ただ、最後の最後に大苦言を一つ。
最終第4クォーターの体たらくはなんだ!
始まって7分くらい無得点。テレビで見てて血圧が50くらい上がりました。決して油断してはいけない相手に対し、完全にペースを奪われ、日本お得意のスピードを活かしたカットインもせず、全く休まずコートに立たされていた渡邊雄太選手とホーキンソン選手。
特に最終クォーターのホーキンソン選手のリバウンドと最後に試合を決定づけた3ポイントが入っていなかったらと思うと恐怖でしかありません。
今回は沖縄開催という大きなアドバンテージがあり、どの試合でも神がかった選手が次々と現れ、そして「五輪出場切符を手に入れる」という目標は達成できました。
ただ、次はもっともっと強い相手だけが出てきます。今のバスケスタイルにめちゃくちゃ磨きをかけ、ホーバス監督が掲げている目標「3ポイント成功確率40%」に限りなく近づかないと、五輪では全く歯が立たないと思います。22歳コンビの更なるレベル向上を期待してます。世界に通用することがわかったことが、今大会の一番の収穫だったのではないでしょうか?
サッカーやラグビーW杯に比べて知名度が低かったバスケW杯。
自分が30年続けている大好きなバスケットボールという競技が皆さんに興味を持ってくれたことが嬉しいです。
もう48歳ですが、もう少しだけバスケを続けようと思います。そんな勇気をもらえる大会でした。
で、今回の大会MVP(私の中のMVP)は、間違いなくホーキンソン選手でしょう!得点だけでなく、献身的なディフェンスとリバウンドは見事でした。さらには3ポイントまで打てるとは。当面、自分の目標選手はホーキンソン選手です。
長々とバスケ談義にお付き合いくださりありがとうございました。
あー、疲れた。
(試合を思い出して熱くなってしまいました)
追伸:私が大好きだったレスター、アントニオ猪木さんの追悼映画が1日だけ上映されます。
え、どこで観れるの?って検索していたら、なんと山口では上映映画館ゼロ。いつものことですけど。
仕方ないからDVDが発売されるのを気長に待つことにします。
おそらく最初から最後まで大号泣すると思います。