徒然草

さよなら、「めんとく」!

東京のコロナ感染者数が激増しています。二千人越えです。ただ内訳をよーく見ると、過半数が若者軍団で、ワクチン接種が普及している高齢者の割合が3%程度とのこと。これを聞くとワクチン効果が思っていた以上に期待できそうです。

開催反対やら延期やら、やたらと外野が騒いでいましたが、結局はじまった東京五輪。始まってしまったからには応援せねば!と、色々反対していた報道各社もこぞって応援モードになってしまいました。ネガティブな意見を吹っ飛ばすほどの勢いがあるオリンピック。なんだかスポーツのもつ素敵な力を感じてしまいます。

日本選手団が大活躍していますね。卓球混合ダブルスでついに絶対王者の中国ペアを倒した2人。しかも内容がすごかったですね。崖っぷちからの大逆転勝利。ドイツ戦の時も敗色濃厚だった場面から大逆転。伊藤選手のパワーに男性選手が圧倒されていましたから。

阿部兄弟の同日金メダルも感動しました。2人とも強敵相手にどんどん勝ち進みましたが、やはり相手もまた国代表選手です。楽な試合なんてほとんどありませんでした。決勝戦の相手はどちらも強かったですね。

ちょっと気になることが一つ。阿部一二三選手がかなりのハンサムでしかも爽やか。そして東京五輪のゴールドメダリスト。羨ましすぎます。神は二物を与えました。いや三物ですかね?これからモテまくるでしょう・・・。

 

今回は大学病院時代にずっとお世話になっていたラーメン屋さん「めんとく」が閉店した話題です。

私が数年前まで勤務していた山口大学医学部附属病院。自分の勤務先が小児科の中でも特殊な場所で、新生児集中治療室(NICU)でずっと働いていました。仕事柄、当直回数が多く、しかも緊急時の呼び出しも頻回にあり、結構な頻度で病院に泊まっていました。

大学病院当直で困ったことが一つ。それは夕ご飯を食べる場所が少ないことでした。病院内にあるレストランも閉まる時間が早く、売店のお弁当なんてとうの昔に食べ飽きてしまった私。次なる手段は出前を取ることですが、出前してくれるお店も医大近辺に数店舗しかありませんでした。

私の中の出前定番料理が二つありました。

一つは宇部興産ビルの近くにあるCoCo壱番屋。そしてもう一つは附属病院のすぐ近くにある老舗ラーメン店「めんとく」さんです。どちらも当時は控え室まで運んでくれるサービスがあったので頻繁に利用していました。特にCoCo壱は深夜まで配達してくれるのがありがたかったですけど、今は宅配サービスは行っていないようです。

自分1人の当直ならまだしも、当時は副直と言って、若い研修医が1人、私と一緒に当直して仕事を学ぶシステムがあり、だいたい私の当直時には若者がついていました。当時の上司があまり指導好きではなかったので私の下に付くことが多かったです。

数年前のブログでもご紹介しましたが、CoCo壱番屋のカレーってトッピングの選び方によって味が随分と変わります。私の超鉄板組み合わせメニューがこれ。「パリパリチキンカレー」に野菜とチーズのトッピングを加え、辛さは4辛でした。いつもこの組み合わせで頼むので、後輩からは「先輩、いつものやつで良かったですか?」と聞かれるくらい。今でもこの組み合わせが最強と信じています。以前、アメトークでCoCo壱芸人の会があり、ほっしゃんが選ぶ最強組み合わせは「チキン煮込みカレー+ほうれん草+チーズ」でした。このカレーも実際に食べてみましたが、私の組み合わせの方がちょっと上でした。これはあくまで個人的な感想です。

冷静にみてみるとチキンと野菜とチーズの組み合わせってどちらも同じような感じですよね。

もう一つの鉄板メニュー。それはめんとくさんの「ちゃんぽんセット」です。1人当直の時はなぜか「めんとく」で出前を取ることが多かったような気がします。

約8年前に大学病院を退職し、そして今のクリニックを開業しました。流石に宇部まで食べに行くことはなく、めんとくさんとはかなり疎遠になっていました。いつかまた食べたいなって気持ちだけはずっと持ち続けていましたけど。

そんな時、衝撃のニュースを聞きました。

「めんとく」さん閉店!!!!!!

なんですとぉ!!!!!

理由を聞けば納得。「もう疲れた」とのこと。この地でラーメン店を初めて45年くらい経ったそうです。そんな理由を聞かされてしまったら仕方ない。最後にもう一度だけでも「めんとく」に行って、思い出の料理を食べたい!という気持ちが超絶強くなって、気づけばクリニックお昼休みにめんとくさんに向かっていました。しかし考えが甘かった。平日お昼時に行くとすでに店の外まで行列が。めんとくさんとの別れを惜しんで来店する、私と気持ちを同じくしたお客さんがわんさか来ていました。

さすがに14時から外来始まるので行列に並ぶことができず。仕方ないので最近新しくできた「金龍」に立ち寄ることに。医大からの帰り道にあるお店です。

そういえば金龍も久しぶりです。昔ながらの博多豚骨ラーメンを堪能しようと入店したらびっくり。なんだかラーメンの種類が変わっていました。長浜ラーメンのようなさっぱり豚骨ではなく、今少し流行している豚骨醤油風味でした。これはこれで衝撃事件です。福岡ラーメンというよりは、和歌山ラーメンや徳島ラーメンの雰囲気です。正直この系統は最近多いので、できれば昔のような長浜ラーメン風の方が断然好みだったんですけど。やはり時代の流れや流行には逆らえないんでしょう。味は美味しかったんですけどね。

その数日後、もう一度平日のクリニックお昼休みに行ったらまた行列。2度もフラれて心が折れかけました。でもこれで2度とめんとくのラーメンが食べられなくなるし、あの愛想の良いおじちゃんと軽妙トークもできなくなります。ということで、妻に頼み込んで土曜日の午後、クリニックの仕事が終わってから満を辞して訪問してきました。これで3度目のトライです。土曜日の13時過ぎに行ったにも関わらずやはり入り口に数名並んでいました。

30分くらい待ってようやく着席。注文したのは当然「ちゃんぽんセット」です。

このちゃんぽんに小ライス、餃子5個がつきます。おそらく自分がめんとくで注文したのがこれが一番多かったと思います。

ちょっと塩気の強いちゃんぽんですが、ちょっと懐かしいお味。昔、私の母が作ってくれたちゃんぽんの味です。これぞ宇部小野田ちゃんぽん。リンガーハットや長崎ちゃんめんのちゃんぽんとは雰囲気が違います。なんだかスープの色が濃いのがその違いでしょうか?

いやー、懐かしい味です。当直が忙しくて大変だった頃の辛い思い出も一緒に込み上げてきました。

たまたま相席になった方も大学病院で働いていた方で、やはり思うことは同じでした。一緒に並んでいる時から話が弾みました。当然、当直時のめんとく出前話です。

ということで、お互いの大好きだった料理を注文し、提供されたところでお互いの記念写真をパチリ。待望のめんとくちゃんぽんを持った私の笑顔。我ながら幸せそうです。

もうこれで食べおさめだなって思ってたら、いつも出前を運んでくれていたおじちゃんがこちらを見て満面の笑顔。

「おぉ、久しぶりだね。小野田の方で開業したんだったよね!」と声掛けしてくれました。

びっくり!

もう私は大学病院を離れて8年以上経ってます。それでもまだ私のことを覚えていてくれました。なんだかものすごく嬉しくなって、思わず涙がポロリ。数多くのお客さんを45年も見てきたのに、私のことを覚えていてくれるなんて。しかも小野田で開業したこともしっかり覚えていてくれました。

ということで、最後の思い出にと、めんとくのおじちゃんと記念撮影。

カウンターの横には山口大学の医局からお花を送られており、産婦人科医局、消化器内科医局からなど、これまで大学病院の当直医を支えてきた、まさに「山大の力めし」だったんだなって実感しました。小児科医局も花を贈ればよかったのに。

もともと私の研修医時代の指導医がめんとく大好きで、小児科の「めんとく先生」って呼ばれていました。その先生が開業のため医局を離れ、その後を引き継いだのが私です。でも私もこれで「めんとく先生」の称号がなくなります。お店の閉店と共に。

ここのラーメンは少しゆるゆるでのびかけの麺でしたが、それがまためんとくの味。ちゃんぽんの次に食べていたのがチャーシュー麺です。私がラーメンマニアになったのはこのお店がきっかけだったかもしれません。

本当にこれまでお世話になりました。最後の最後に食べることができ、おじちゃんとも記念撮影し、別れを惜しみつつ、手を振ってお別れしました。お疲れ様でした。

さようなら「めんとく」!!!!!

(なんだか文章を書いていて泣きそうになりました)

 

追伸:東京五輪の女子ソフト決勝戦は凄かったです。最後の最後まで手に汗握る展開でした。

最後の最後に39歳の上野投手を再登板させたのも監督の大英断だったと思います。後藤選手もアップアップみたいでしたから。それくらいものすごい重圧を感じる場面でした。だってオリンピックの舞台で、しかも金メダルが決まるかどうかの試合ですからね。この経験は各選手とも超貴重なことだと思います。

もの凄かったのが6回裏の渥美選手のスーパープレーです。

後藤選手は左投げ。バッターは右打ち。やや打者有利の組み合わせ。しかも渥美選手は「このバッターは調子良くて結構バットが振れているから引っ張るかもしれない」と予測し、もともとセカンド寄りに守備位置をとるのが一般的だけど、彼女はあえて引っ張りに備えてサード寄りに守備位置を変えていたのがこのプレーに結びつきました。これは決して偶然ではありません。彼女の予測が正しかったということです。物凄いビッグプレーで、アメリカチームも唖然としておりました。

日本のソフト会の絶対的エースだった上野選手。もう彼女は39歳です。この歳まで絶対王者として君臨していたのは凄いですが、彼女を超えてくる若者がまだ育っていないのもまた事実。今後は若者の台頭を期待し、ボトムアップしてもらいたいです。

アメリカの投手も北京五輪で見た人と同じ。アメリカもまだ世代交代があまりうまくいってないのかもしれません。

やはりMVPは上野投手ですね。ここまで競技を続けてきたモチベーションが素晴らしいです。

46歳の私も上野選手を見習って、もう少しバスケットボールを続けようと思います。