もう3月終盤。年度末の時の流れは早いですね。診療以外の仕事がどんどん溜まっており、日々締め切りに追われています。
なんだか最近になって各政党が慌ただしく動いております。近所で色々と選挙活動しているシーンを見かけるようになりました。統一地方選挙の幕開けですね。
いつもこのブログ内で書きますが、若い人たちの投票率が上がらないと日本は変わりません。投票率の高い高齢者たち優位の法律ばかりが優先され、あまり集票力のない若者向きの仕事はいつも後回し。せっかく18歳から投票できるようになったのだから、学校教育も含め、民主主義における選挙の大切さをもっと教えるべきだと思います。
諸外国の状況を見てもわかりますが、まだ日本は封建的で考え方が古いです。女性首相が出てきたり、20代の国会議員が出てきてもいいんじゃないでしょうか?
我が山口県も実は結構大変なことになっています。
前回の衆議院選挙で勝利した4名のうち、安倍元首相が大事件でお亡くなりになり、岸元防衛大臣も体調不良により政界を引退されました。
さらに10増10減の煽りを受けて、山口の選挙区は一つ減らされてしまいまし。ということは自民党の巣窟である山口県で「身内バトル」が勃発することになります。
新しい選挙区の割り当てで、我が山陽小野田市は宇部市と離れ、下関選挙区に組み込まれてしまいます。安倍さんがご逝去され、これまで絶大な力を持っていた主がいなくなりました。安倍さん夫婦には子どもがいなかったため、まずは昭恵夫人に打診をしましたが断られ、結局は豊北町出身の下関市議会議員が自民党公認として立候補するみたいです。
それでは山口1区はどうなる?
林さんと高村さんとのバトルが始まるのか、それとも一人が比例代表に回って選挙区を譲るのか。もしくは林さんの元々の地盤である下関選挙区に鞍替えするのか。こうしてみると選挙で争う以上に大切になるのは「誰が自民党公認候補になるのか?」ということです。選挙の前に誰が勝つか決まってしまうようなものです。誰か強烈な野党議員が出てこないかな?って思ってしまいます。
あと、なぜか気になるのが、あの爆弾発言、意味不明発言連発の杉田水脈議員が自民党山口県連所属ということです。安倍派だからなのか?気持ち悪いです。彼女が山口に来た話はほぼ聞いたことありませんし。地元に根の無い奴は出ていってください。
さ、政治の面白く無い話はここまで。興奮冷めやらぬWBC話の続きに戻ります。
今回もマニアックWBCネタです。長くなると思うので、野球に興味のない方はスルーしてください。
今回は準決勝、メキシコ戦のお話になります。この試合にも数々のドラマがありました。先に結論を言いますと、このメキシコ戦の大勝利が日本を優勝に導いたと言っても過言ではありません。日本代表の全試合の中でもベストゲームはどれ?って聞かれると、アメリカとの決勝戦ではなく、このメキシコ戦を挙げます。
正直、準決勝の相手はプエルトリコだと思っていました。日本はプエルトリコに何度も負けた経験があり、現役メジャーリーガーも多く、そして何よりここ2回連続でWBC準優勝がこのプエルトリコです。それがまさかのメキシコに逆転負け。日本の相手はメキシコとなりました。
メキシコ代表監督はギル監督です。
今回初めて知りましたが、ギル監督はもともと大谷選手の所属しているエンゼルスの1塁コーチをしているそうです。
大谷選手のクセなど熟知している難敵です。
日本の先発は佐々木朗希投手。現役メジャーリーガーだらけのメキシコ代表に、日本の至宝右腕が通用するか試された試合です。
試合開始は豪速球と高速フォークで三振を何個もとっていましたが、やはり「負けたら終わりの一発勝負」の緊張感からか、徐々に制球が乱れてきました。痛恨の3ランを浴びたボールもフォークの抜け球。
フォークボールって球速が遅いから、ど真ん中に入ってきたフォークボールは完全なるホームランボールとなります。しかし元々160km超えのストレートをどんどん投げてくる佐々木投手のフォークは150km近い速度で落ちてくるのでなかなか打てませんが、やはりメジャー選手は違います。
失投を見逃すことなくスタンドに軽々と放り込んだバッターの勝ちです。
で、私が注目したのは佐々木選手の表情。先ほども書きましたが、負ければ終わりのノックアウトシリーズにおいて、先制点の重要さは一番彼がわかっているだろうし、決して与えてはならない先制点を3ランという最悪な形で献上してしまった彼の無念の表情。このまま負けて仕舞えばこれまでの快進撃が台無しです。その責任を背負わされた20代前半の若き投手。緊張するに決まってます。
そんな佐々木選手を救ったのが吉田選手です。
彼が放った同点3ラン。
このホームランで一番嬉しかったのは佐々木投手だと思うし、ホッとしたと思います。
ホームランシーンを改めて映像で確認すると、佐々木投手はベンチから出てきて、しかも入った瞬間にかぶっていた帽子を地面に叩きつけていました。
あまり皆さん注目していないシーンだと思いますが、この佐々木投手の興奮した顔を見ると、彼の心の葛藤がよくわかります。
色々な映像を見ていると、佐々木朗希投手は吉田選手とタッチした後、泣いているように見えました。
これもまたチームの団結力。日本の強さです。
ここまで圧倒的な得点差で勝ち続けていただけに、3点ビハインドの悪条件はキツイし、さらにはベスト4の揃った準決勝での3点差は致命的です。
そんな危機を彼の一振りで吹き飛ばしました。やはりホームランってチームの雰囲気をガラリと変えることのできる特効薬だなって改めて思いました。
その次に驚いたのが源田選手です。
守備職人、バント職人として有名な源田選手。予選で右小指を骨折したにも関わらず代表に残って、しかもスタメンで出場。まだ痛いだろうに、ものすごい精神力です。
せっかく同点に追いついたのに、あの日本の大エース、山本投手が打ち込まれ、2点を追加されてしまった後の攻撃で、またまた源田選手が気合のスリーバント。普通なら追い込まれたらヒッティングに切り替え、進塁打を狙って右打ちするのがセオリーです。しかしさすがは職人源田選手。見事にバントを成功させ、その後の山川選手の犠牲フライへとつながりました。
さらには「源田の1ミリ」として話題になったタッチアウトシーンや、超絶美技の背面キャッチシーンは圧巻でした。
特にあの背面キャッチって本当に神技です。あそこに飛べば、ほぼ確実に「ポテンヒット」になります。外野はまず追いつけないし、あのヌートバー選手だって無理です。ショートが捕球するしかない打球を、まさかの背面キャッチ。本人はひょうひょうとしておりましたが、自分が選ぶメキシコ戦MVPは間違いなく源田選手です。
そして話題となった9回の攻防。
実は代打とかで捕手が大城選手しか残っていなかった状況で9回を任された大勢と大城。
二人とも我が巨人軍のメンバーであり、大城は大勢の球を何度も捕球したことのあるキャッチャーです。後日談では大勢が「大城さんがキャッチャーで助かりました」と語っております。偶然なんでしょうけど、9回をきっちりと抑えて、後につながる大逆転劇のシナリオを最初に描いたのはこの二人だと思います。
そして話題の9回裏話です。
ちょっとその前に、この試合で岡本選手のホームランボールを捕球してドヤ顔をしたあの選手のお話を一つ。
彼の名前はアロザレーナ。
実はもともとキューバ出身の彼。ボートを使ってキューバを脱出してメキシコに亡命し、そしてメキシコリーグを経てメジャーリーガーとなりました。しかも所属するレイズのリーグ優勝決定シリーズで10本塁打を放ち、シリーズMVPを獲得したほどの大打者です。
さらには彼が「メキシコ代表になってWBCに出たいからメキシコの市民権をください!」と直訴し、当時の大統領の尽力もあって、晴れてメキシコ代表としてWBC出場が叶った選手。
その彼が魅せた超絶美技。
捕球できなかったら確実にスタンドインしていた打球を見事にキャッチした彼のスーパープレーには脱帽です。
我が巨人軍の今年のキャプテンに任命された岡本選手の中では「WBCの幻ホームラン」として語られることでしょう。ただ、ホームランボールをキャッチした時のドヤ顔はさすがにイラっとしましたけどね。
9回裏の先頭バッターは大谷選手。相手ピッチャーはメジャーでクローザーをしているガイエゴス投手。バリバリの現役メジャーリーガーです。
大谷選手は初球に甘く入ったチェンジアップを見事にセンター返し。初見の投手でどんな球を投げるのか観察したい気持ちがあると思う中、初球からヒッティングするなんてかなりの強心臓だと思います、大谷選手は。そして激走中にヘルメットが邪魔になったので手で投げ飛ばし、2塁まで爆走。素晴らしい二塁打でした。そしてベンチに向かって「カモーン!」と言ってるような雄叫びをあげました。これは盛り上がります。
次の打者はこの試合でホームランを放っている吉田選手。予想はしていましたが、やや逃げ気味の投球で四球を選びました。これでノーアウト1、2塁。
余談ですが、吉田選手の身長って172cmしかないんですよ。190cm以上ある大谷選手と並ぶとよくわかります。
しかし彼のあだ名は「キン肉マン」って言われているらしく、筋肉隆々らしいです。
しかも今年からメジャーに挑戦するのに、そんな大事な年にWBCに出場するなんて、その心意気が素敵じゃないですか。アメリカに行ったらさらに体の小ささが目立つと思いますが、彼がメジャーでバンバンホームランを打つ姿を期待しております。
で、次のバッターは「村神様」こと村上選手。これまで打率1割台で、ことごとくチャンスで凡退していた彼。日本国民の大多数が「えー、村上かよ!」ってツッコんだと思います。正直自分も少し不安でした。
もしかしたら代打とか送りバントの指令が出るのかなって思いましたが、後日談では栗山監督が「お前に任せた!行って来い!」と伝えたそうです。
そうなれば燃えないわけがない昨シーズンの三冠王。
結果は皆さんの知ってる通り。
甘く入ってきた変化球を見事にセンター返し二塁打。魂のこもった打球はぐんぐん伸びてフェンスまで飛んで行きました。本当に絶好調な時の村上選手なら軽々とスタンドまで運んでいたかもしれませんが、見事な打撃でした。
印象的だったのは、サヨナラ安打を打った村上選手の鬼の形相でした。
これまでチャンスでずっと凡退しており、マスコミからも叩かれ気味だった彼。「どうだ、見たか!俺が村上だ!」と言わんばかりの怖い顔。
彼のこれまでの葛藤がよくわかる印象的なシーンでした。
そんなヒーローがようやく笑顔になったのは、仲間に祝福されスポーツドリンクをぶっかけられた時です。
でも今回の代表メンバーは全員が村上選手の覚醒を信じていたそうで、彼は誰よりもバットを振っていたそうです。試合のない時間に彼が努力していたことを皆が見ていたらか、誰もが彼の活躍を信じていたと思うし、その気持ちに応えることができた彼。
やはりヤクルトの四番打者は違いますね。今回は五番でしたけど。
もう一つ驚いたのが周東選手です。日本シリーズ見たことあるから俊足なのは知っていたけど、まさかここまで足が速いとは驚きでした。
ノーアウト1、2塁でヒットが出た場合、野球界の一般常識から言えば、1塁ランナーは3塁にストップさせ、ノーアウト2、3塁の状況にして犠牲フライやスクイズなどの作戦を考えるはずです。
しかも次のバッターは岡本選手です。犠牲フライを打ったり、1塁方向に流して進塁打を打つことは容易に出来る器用さを持っている岡本選手。もしかしたら申告敬遠もあったかもしれませんが、岡本勝負が定石です。
確率論からすれば1塁ランナーはストップするべきだったと思いますが、そこが周東選手の凄さです。
外野の間を抜けると確信した瞬間にはすでにトップスピードになっていた周東選手。大谷選手も足が速いのに、彼が3塁を回った時にはすでに背後まで迫っていた周東選手。3塁コーチはストップすべきか一瞬悩んだそうですが、他のメンバー30人全員が腕をくるくる回して「本塁ゴー!」のサインを出していました。早速とホームに滑り込んだ時は余裕のセーフ。彼が日本代表に選ばれたのはまさにこの仕事をしてもらうためです。
吉田選手に代走を送った時点で延長戦のことなんか微塵も考えていなかった栗山監督。見事な采配でした。栗山監督の心の師匠は、名将・三原脩監督です。「三原イズム」として有名だった彼の教えを崇拝しており、三原監督は「試合の最後の最後まで策を考えて出し続けろ」という教えがあるそうで、負けている時でも策がなくなるようなことはこれまでなかったそうです。
見応えのある素晴らしい試合でした。そして見事に決勝戦までコマを進めることができた日本代表。
もう一つ余談を。
この準決勝で先発したのは佐々木投手ですが、なんとその後に中継ぎで登板したのが、日本の大エース山本投手です。
日本プロ野球界の至宝と言われるこの2人が同じ試合で投げるなんて絶対にWBCでくらいしか見ることができません。
勝手な想像ですが、この継投で一番驚き、そして不安に思ったのが今永投手でしょう。
マスコミ報道では、準決勝で佐々木先発、決勝戦で山本先発って伝えられていました。
まさかのメキシコ戦劣勢の状況で投入された山本投手。
そこで今永選手が思ったこと。
え?俺がアメリカとの決勝戦で先発するの??
と。
これはあくまで想像ですが、普通であれば佐々木投手の後を引き継ぐのは今永投手や戸郷投手だと思っていただろうし、宇田川投手や伊藤投手、体勢投手だって控えておりました。山本選手をつぎ込んだ時点で、もしこのメキシコ戦に勝ったら明日の決勝戦先発は今永投手だろうなって自分も思っていました。果たして当時の彼の心境はいかに?
試合後のメキシコ代表監督の言葉がまた泣けました。
この英語を訳すと、
「日本が勝った。しかし今夜の試合は野球界の勝利だ!」
最近は色々なスポーツの台頭で人気が低迷しつつあった野球界。野球はこんなに面白いんだ、もっと野球界が発展すべきだと言う彼の思い、熱い気持ちがダイレクトに伝わって来ました。
最後の最後まで素敵なメキシコ代表でした。
自分の中ではやっぱりこのメキシコ戦が今回のWBCベスト試合だと思っています。
いやー、大好きな野球談義になると筆が止まりません。
超絶長くなったのでアメリカ戦のお話はまた次回に。
(次回も長くなりそう)
追伸:そう言えば源田選手って誰か芸能人と結婚してたよなって思っていたけど、今思い出しました。
彼の奥様は元乃木坂46のメンバーです。
吉田選手の奥様も元モデル。
やっぱりプロ野球選手ってモテるんですね。
羨ましい・・・・